にしんばち

カテゴリ : 
ブログ
執筆 : 
keian 2009-11-29 11:28
<にしんばち>のことを、一茂くんが、たずねてきました。
福島県の会津に、にしんを漬けるのに用いた長方形で高さ15センチ前後の鉢のことです。飴釉がかけてあるのが特徴です。
飴釉とは、茶褐色に焼きあがった鉄釉のことですが、長石釉薬に、多量のマンガンを加え、
酸化焼成で呈色します。
酸化鉄の多い焼き物なら、佐渡の無名異焼という、赤茶けたものがあります。私は、佐渡へ行ったときに、根本寺の寂しさと重ね合わせて、無常を感じたので、この焼き物だけは、
買ってきませんでした。焼き物をさがす旅というのは、買わなきゃ買わないで心にのこるものなんです。
にしんばちも持っていません。
にしんを料理することは好きです。
にしんの語源は身を二つに切り開き二身にして料理することからですが、転じて二親、親孝行となります。
身欠きにしんを清め、かぶるくらいの水につけて戻すのが基本です。
本干しなら、熱い番茶を掛け、一日おき、また翌日も新しい熱い番茶につけかえます。
生干しなら、一度だけです。ぬか水につける家庭もあります。
おせち料理なら昆布巻きにします。にしんだけをことこと炊いた西京煮は、にしんそばの上にのっている<あれ>です。炊き合わせにするなら、えびいもやこいも、なすにとうがんなどを使います。
そうそう、かずのこはにしんの卵です。
どちらも、戦前は安かったのですが、安かった分だけ手間のかかる料理です。
こういう料理は、何回も作るうちに、上手になりますが、習うものではなくて
<一を聞いて十を知るという、体験による真理の一般化>と、新婚時代に料理上手の方にいわれました。
それを、あきもせず、続けてきた私は、なんと食い意地がはっているのでしょうね。
にしんばちは持っていませんが、誰かくれるひとがいたら、向こう三年のおせちを届けてもいいなと思います。しまう所なんかなんとかなるもん。使わんときは、じゃがいもいれといてもいいやん。という素朴な器です。
 
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