こりゃあかん

カテゴリ : 
ブログ
執筆 : 
keian 2010-7-8 19:51
店を持ってみて、
これだけは苦手という人がいかに多いかということを思い知らされました。
それも、多くの人が大好きという、店としては評価の高いものについてです。
苦手に関しては、私の仕入れの努力も、真心も如何せんであります。

いかと里芋の煮物は、おふくろの味の定番。
足もぶつぶつと切ったいかに里芋を取り合わせ、こっくりと煮た男性好み。
いかは煮すぎるとかたくなるので、あらかじめ、さっと煮ておきます。
鍋に、しょうゆと砂糖、みりん、酒、しょうがを合わせて、火にかけて、強火でジャスト1分。これは、いかの量にあまりこだわらなくていいです。
里芋は、別鍋で一度だけ、ゆでこぼし。煮たったところで、ひたひたの水で4分煮たところで、いかの煮汁だけを加えて、落とし蓋をして、里芋に竹串が楽に通るまで、やわらかく煮ます。ここで、いかをもどして、一気の強火にして、瞬間にいかと里芋をからめます。

最後にいかを加える時、箸でかきまぜないこと。鍋をゆすりながら、汁けをからめること。
いかを皮つきで煮る時は、里芋を素朴に仕上げた方がいいのです。
懐石のお店のように、塩でもんでぬめりをおとして、下ゆでをしてはいけません。
鍋と里芋の量が一致していたら、里芋の下ゆではいりません。一度だけ、さっとゆでこぼすのは、誰が作っても失敗しないためです。

などと、えらそうに書いてみたのは、
2時間TVドラマ<科捜研の女>を観ていて、
東京地検特捜部長の新聞記事を思い出したからです。
和歌山出身の51歳男性ですが、座右の銘は、相田みつを氏の
<ともかく、具体的に動いてごらん。具体的に動けば具体的な答えが出るから>とのこと。
具体的に動いてみたら、とても素敵なお客様でしたが、煮いかだけは絶対ダメでした。
むかし、古いいかを煮たものでひどいめにあったそうです。
急遽、足だけを、さっと目の前で焼きました。里芋は、別に煮て添えました。
香ばしい香りで、食べていただけました。
 
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