板前

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ブログ
執筆 : 
keian 2010-9-18 20:14
あるお客様からの質問。
板前とシェフの気質の違いは?と聞かれました。
フレンチは、1年間日曜日の昼にスタジエに通いました。
イタリアンは、火曜日の夜に3カ月間に通いました。
シェフは教えるということに積極的だったと思います。あまり下働きをするよりも、即戦力にしたいという感じかな。
報酬はいただいていません。
仲良くしてくださった板前さんのことを思い出すと、ちょっと気質が
違うように思います。
その名も板前新三さんとの出会い。昭和52年に71歳。山口県萩の生まれで
19歳で、万亀楼出身の石田久兵衛氏に12年師事。のち、大阪へ出て修行。戦争をへて、京都で料理長。菊水開店と同時に料理長となる。
詳しいことは柴田書店の『味を奏でる人々』を読んで下さると板前の
気質がよくわかると思いますが、とにかく、筋を通すことを徹底的に
教育されます。修業は苦しければ苦しいほど人を育てるとされた年代です。
理不尽なことも乗り越えてです。そして礼儀も修行。恥が生きる。そのためには、失敗もして、それでやっと素直になれる。今から思うと、よく私のようなものに会ってくださったと思います。感謝。いつか料理屋の店を
持ちたいと訴えた私に『あなたのうちは人通りがありますか』と聞いてくださいました。奥様は心をこめて私にお茶をたててくださいました。
のれんの重さを思ってくださったのでしょう。本当に親切にしてくださいました。板前は厳しい、おそろしい半面、相手を見て一生懸命になってくれるところがあるのです。その代わりに完全な縦型社会です。だから板前とやくざと誤解されるところもあるのです。板前がやくざではなく、板前になれなかった人間がやくざに近くなるのかな。
柳ヶ瀬時代にはそんな人が周りにいたような気がします。ちょっと時代にはそぐわない気がしますが、板前新三さん言葉で締めくくります。
『板前はまるでやくざのように言われた時代もありますが、孫ができ、こうして何代も続いてきてれば、決してやくざではなく、まっとうな社会人です。今までは、孫にお年玉をあげていましたが、今度からは返してもらえるようになりました』

PS.お客様からメールがありました。
『なるほど、やくざと板前の気質はいっしょですね。昔のやくざと板前は命を賭けて仕事していたということですね』
包丁一本さらしに巻いて旅に出るのも板場の修業。
さらしを腹に巻いてドスを刺すのがやくざ。
 
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