さしみ

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ブログ
執筆 : 
keian 2010-11-30 20:24
大昔のことです。
昭和元年生まれの松尾太郎くんの母親は<じゃう>と書き、<おじょうさ>と呼ばれておりました。当時のことで、子沢山が普通の中で、松尾家では、スペイン風邪で亡くなったこともあって、一人きりの娘で兄さんは、甚一さんだけです。甚一さんの子供はさいさんととくさんだけです。この兄妹は縁の薄いひとでしたので、従姉はこの3人だけです。じゃうさんが亡くなるときに、
太郎とさいを結婚させて、松尾家の跡取りにすると約束がなされており、
その娘である私は、<あとに男の子が生まれても、桂子には、松尾家を名乗らせるというほどに、甚一さんに可愛がられて育ちました。
幸いに男の子は生まれなくて、栄子さんと光子さんと二人の妹がいますが、
一人娘かと必ず人さまに言われるほどに、闊達に?桂庵をやらせていただいております。師の村上祥子は、<やんちゃ>と多分褒めて?ました。

 私は、子供のころはさしみが大嫌いでした。
せっかくのマグロでもいかでも、徹底的に<づけ>にして食べていました。
可愛げのない子やねぇ。
所帯をもってから、いろいろな方との出会いがあって、自分でもさしみを
あつらえるようになりました。このさしみの味がわかってこそ、
とうふを山葵しょうゆで食べていただけるようなしつらいも覚えました。
 今から思うと、当時の配偶者は心の広いひとだったのでしょうか
?それとも、よほど私のことを好きだったのでしょうか?
一度、聞いてみたいですね。もしも、どなたか、彼にあったら、
<投資をしてくださったの、有難う>と伝えていただけるように、この
道に精進したいと思います。感謝。

 桂庵では、おさしみは季節の物で3品盛りにしていますが、
最近はしゃぶづくりが巷で人気のようですね。
まぐろは、身が柔らかいので、柵のまま、熱湯で、瞬間的に湯引きにします。
いかは、身がかたい、薄くスライスしてから、瞬間的に湯引きします。

でも、こういった料理は、骨についた身をこそげてつくるでんぶ同様に
まかない料理で、お客様には出せないようです。
私は、どちらも食べていただきたくて、こんな店にさせていただいております。
おじょうさの最後の食事は、
<あかいさしみとしろいさしみ>だったそうです。
どんなさしみだったのでしょうか?
 
〒500-8034 岐阜県岐阜市本町 5-23
TEL : (058)-262-4015
FAX : (058)-262-4015
URL : http://www.k-an.jp
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