ほうひん

カテゴリ : 
ブログ
執筆 : 
keian 2011-3-12 23:29
一茂くんからの発信です。
宝瓶と書きます。泡瓶と書くこともあります。
電話では、ほうしんと聞こえましたが、抱身の字をあてることもあるかもしれません。
お茶を入れる道具は、急須ですが、今回は、この急須の手がないものです。
手がないのですから、手のひらで包みこむように持ちます。
片口状の注ぎ口が付いています。人差し指で蓋を押さえて、片手で注ぎます。
手のひらのなかにおさまるように、小さな急須です。玉露のような、少量で満足できるお茶をいれます。玉露のような、低温でじっくりと入れる急須ですから、てのひらで包みこんでも、熱くないのです。だから、急須の手がなくても、いいのです。
禅問答みたいですが、お茶の中に、精神芸術を織り込んでいるのは、
禅僧の間で<眠気ざまし>として、座禅のときに飲まれていたからです。
玉露は煎茶の極めたものです。
煎茶は、中国の明時代の文人仲間が好んでいたものが、日本に伝えられました。
石川丈山<1583~1672>は京都比叡山のふもとに詩仙堂を建て、
詩を作りながら、煎茶をいれました。
これを引き継いで完成させたのが、売茶翁<1675~1763>です。
武士の家でありながら、11歳で禅門に入り、57歳で還俗します。
<坐して茶を汲めば、客もゆったりして、亭主と客の別を忘れてしまいます>
<私の茶を一杯飲んだら、たちどころに、あなたの悩みは解けますよ>
と詩を楽しみながら、喫茶店?をしたのです。
喫茶店の名は<通仙亭>です。仙境に通ずるのだそうです。
広報ぎふでも市長が<岐阜の喫茶店の数が日本一>をとりあげていましたが、モーニングサービスよりも、仙人のような心もちになるために、
行くのでしょうか?桂庵でも、喫茶をさせていただいておりましたが。
常連のお客様は、<あんきやで>と言って下さっていました。
後期高齢者の方でしたので、一代記のようなお話を、何度もお聞きした様な気がします。
小説が書けるような人生は、長く生きただけの数があるのでしょう。茶2茶1
 
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