酸化と還元

カテゴリ : 
ブログ
執筆 : 
keian 2011-3-26 20:21
一茂くんからの発信です。


  焼き物には様々な色がありますが、この色は、釉薬の中に含まれている
金属によって、異なった発色しますし、また同じ金属を配合していても、その、量と窯を焚くときの火の燃やしかたで異なった発色をします。

 ○酸火炎焼成・・・酸素の多い火炎で焼成すると素地や釉薬中の鉱物を酸化
         し、その特有の色を呈します。
         《青織部》・《黄瀬戸》などがあります。
 ○還元炎焼成・・燃焼に必要な酸素が不足して、炭素の多い火炎で焼成すると、また酸化とは違う特有の色を呈します。
         《青磁》・《辰砂》などがあります。
 青磁の青色は、ヒスイ入れたのでは、ないのです。
 辰砂の赤い色は、ルビーを入れたのではないのです。
 ※青磁は、釉薬中の鉄分が還元した色です。
 ※辰砂は、釉薬中の銅分が還元した色です。
ただ、ひとくちに還元するといっても、いつ還元すかるは、いまだかっての
ロマンです。!!
※酸化金属・・・酸化鉄・酸化銅・酸化マンガン・酸化チタン・酸化コバル
         ト・酸化クロムがあります。
         酸化鉄は、わかりやすいところで、紅柄のことで、格子戸
         に塗ったり、また、永源寺こんにやく(滋賀県名物)の赤い
         色です。
 陶芸は焼いてみないと、分からないところに、面白さがあるわけです。
わかりやすくいうと、酸素が不足するということは、不完全燃焼させるこです。
 その状態は薪窯でしたら、夜も寝ないで積極的に薪をくべるため、その様子が、せわしなくて攻め込んでくる様にみえることから、
《せめ焚き》と名が付くぐらいです。 
空気を十分に供給せずに高温を期待するのは、大変むずかしく水分の多い生木と乾燥された割木を併用したりします。《炎の長くでる脂の多い松がこのまれたとも聞きます。》・松明もそうでしょう。また、松尾家でも昭和5年には、松の薪だったとのことでした。これは、山の木を切る時季があり、一年分を伊自良村の(こっはっつあ)から買っていました。
 油燃料だと,バーナー自体の空気調整レーバーで空気の供給を調整します。
電気窯だけでは、酸化焼成しかできませんので、観光地とかカルチャーセンターの入門陶芸では、織部のようなものが多いわけです。

 磁器が一般的に還元炎で陶器が酸火炎で焼成されることもあります。
もっと、わかりやすくいえば、家のガスコンロの炎のうち、普通の青い炎が酸化炎で、赤くなった炎が還元炎です。
 還元炎は、酸化炎より炭素が多く釉薬中の金属が反応して焦げるような色に変色していくわけです。
 もちろん、釉薬の配合も大きな要素です。これこそ、《レシピ》であるそうですょ。

 黄瀬戸は、青磁を作ろうとして愚然生まれたといわれています。
失敗が転じて傑作が生まれたわけです。
 ところで、私の店(桂庵)を柳ケ瀬に持ったことは、失敗だったのでしょうか?こうして、本町で営業を続けているのは、柳ケ瀬に店を持ったことからの発展だと言うのは、負け惜しみでしようか??                          
 
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