土瓶蒸し

カテゴリ : 
ブログ
執筆 : 
keian 2011-9-6 17:45
 土瓶蒸しには松茸を入れなくてはいけないのかな?
と、メールをいただきました。
そんな、秋風の吹く頃に、やっとなりましたね。
土瓶蒸しは、いってみれば、茶碗蒸しの具でいいのです。
とうふと三つ葉だっていいのです。
美味しい出汁と吸い口さえあれば、なんとかなりますが、メニューに
土瓶蒸しとあって、松茸が入っていないと、がっかりするでしょう。
こちらも、お金がいただきにくくなります。

土瓶といえども、家族分をまとめて、茶瓶ではいけません。
土瓶蒸しの器がなかったら、ふたつきのお椀で、お吸い物にしましょうか?

器は、胴膨れした、やや平べったい小さな土瓶で、ふたは御猪口のように、
こぶかく、注ぎ口から、澄まし汁をこのふたで受けて、いただきます。
熱い土瓶ごと、お出ししますので、土瓶敷きよろしく、器が4点セットになります。料理屋としては、破損率も高いので、その分は、お値段も高くなるかもしれません。

白身の魚が入ります。鱧とか、鯛かな?鶏のささみでもいいかな?
たんぱく質は、酸によって、凝固しますから、、美味しい出汁だったら、
すだちを加えると、白濁してしまいます。
土瓶の中には、入れないこと。御猪口に出汁を注いでから、味が濃いと思ったら,すだちをしぼってさっぱりとさせてください。
すだちは汁気が多いので、焼き魚には最高ですが、出汁をうすめない
ためにも、柚子のほうがいいかしらん。

同じ材料でも、土瓶蒸しは<珍味>であります。
やたらに味わえない御馳走です。
<乙な味>なのです。
<乙>とは、オーソドックス、普通ではないが、それなりの趣、なにがしかの取りえがみられることです、邦楽でいえば、<甲>よりも一段低い、渋味のある音を指すことから生まれた表現です。
仕事先の社長から、<あんた、変わっとるわ>と言われていますが、
きっと、魅力的なこと?と自分勝手に解釈しています。
 
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