御簾納きんさん

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ブログ
執筆 : 
keian 2012-9-20 12:30
はりはりは、東京の下町のおそうざいです。1985年に師の村上祥子のレシピに出会って以来、作り続けています。
京料理の和久傳さんが、100グラム入り1000円であちゃら漬けとして、売っておられますから、このほうが御存じの方もおみえでしょうか?
切干大根を水でさっと洗ってつけ汁に漬け込むだけです。漬け汁は超手抜きなら、市販のポン酢を水割りしても、出来ないことはありませんが、赤唐辛子やレモンの皮を風味にいれましょう。きちんと作ってみたい方は、メールをください。ちなみに、赤唐辛子の花は白くて可憐です。
ただ、切干大根を水で戻すと思うと失敗します。
師は御簾納きんさんに直伝で教わっています。
83歳だったそうですが、北区中里から、鶏卵巻きというお菓子をみずからとどけてくれたそうです。
鶏卵巻きは瀬戸内寂聴氏が、書いておられますが、古い江戸の駄菓子です。砂糖の棒を芯にして、卵だけを溶いた粉でせんべいを焼くのだそうです。くるくるとまきつけたところが、可愛かったのかなと思います。日に500本を一人で焼いたそうですが、婚家<双葉屋>の家業を継ぐということは、そんなことかもしれませんね。まあ、自慢じゃないけど、桂子なんて、育った家だけに、自分勝手やでね。
御簾納きんさんは、浅草の酒屋の娘さんでした。彼女の名は知らなくても、大杉栄や、伊藤野枝、神近市子は歴史の教科書で、少しは、お目にかかりませんでしたか?フリーラブの元祖かしらん?
辻潤という男性は伊藤野枝と結婚しましたが、御簾納きんさんと結婚していたらと思うと、桂子も配偶者ではなく、Fさんと結婚していたら、なんて、34年前の胸キュンを思い出します。

御簾納きんさんは、
「よろしゅうございますか、これを作るときには、汚れを落とすだけに洗うのでございますよ。もたもたしていたら、せっかくの切干が水を吸って歯ざわりがなくなってしまいますよ」と師に教えたそうです。可愛い人で、あげたがりだったそうみたいです。平屋の店舗兼住宅には、入山のせんべい、宝来屋の煮豆、浅草橋の鮒佐の佃煮、中里のぶどう餅など、魔法のように取り出す押し入れがあったそうです。
「あたしゃ、江戸っ子だからね、手土産なんか持ってきちゃだめですよ。うちのものを御馳走したいから、夕方きてください」
桂子もこんなセリフを言ってみたいわ。
桂子は白い可憐な花ではありませんが、利かん気のところは、赤唐辛子です。
 
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