ほうとう

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ブログ
執筆 : 
keian 2011-11-30 16:58
うまいもんだよ、カボチャのほうとう。
という古歌があるくらいです。
きっと、山梨県人は自慢の品だと思っていましたが、大昔に和菓子を
名古屋の菊里の老舗の御主人に習っていたときに、
<あんなもん、なんで、たべるのでしょう>と山梨から、転勤で来たという
おしゃれな女性にいわれて、<味噌煮込み大好き>の名古屋人も、
困っていました。群馬の<お切り込み>と同様に、野菜がいくつか入ることと、味噌味が特徴です。
山梨県立総合婦人会館館長のお話では、
<米がとれないので、ほうとう=小麦粉が日常食だったから、有る年代になると嫌がって、それを超えると懐かしがるのでしょう>
<また、武田信玄が兵糧として広めたとして、不景気になるほど、あやかろうとするのかもしれませんね>
味噌煮込みの老舗のランチには、ごはんと漬物がつくように、ほうとうの
汁をごはんにかけて食べる方もおみえです。
通の方は、翌朝のために、前日に残るように作っておくそうですよ。
ほうとうには、カボチャの煮崩れたとろみがつきものですが、
味噌煮込みと同様に、打ち粉が少しばかり、汁に溶け込みますので、これも
とろみです。他県の味噌味のかけうどんと違うところです。
麺を湯がかないで、いきなり、味噌汁に入れて煮るところです。
打ち粉は、たっぷりとついていますので、ここで、無精をしないで、
振り払って、ほぐし入れますが、<なまうち>といって、塩でうどんを
ひきしめないで、卵つなぎにして麺を打っていることもあります。
パスタみたいかな?

チャンスがあって、山梨の笛吹市まで、ほうとう作りを体験に行ったことがあります。
4~5人前で地元の小麦粉300グラムに水150ccで
出汁800ccで教えます。
麺棒で2㎜位にのばした後、幅8㎜に包丁で切っていきます。
作れば、楽しいですが、なんとなく億劫になる方にレシピを伝授。
適当にのばしたら、端からちぎっていきます。
山梨県でも、知る人ぞ知る<みみほうとう>です。
これだと、粉130グラムでも、2~3人の味噌鍋になります。
油揚げと肉と植物性と動物性の油と脂が二つ入ると、
より、旨みが増します。

付記

<あんなもん>といったおしゃれな女性を思い出します。
高橋秀雄氏は日光の出身の児童文学者ですが、
<やぶ坂からの出発>の中で、<ひきあげうどん>の夕食をことさらなる
悲哀を込めて、書いておられます。
小麦粉を吟味して、しょうゆを吟味する今の時代への鐘かもしれませんね。
 
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